こんにちは山絵いっとくです。
今回紹介するのは東京都の北西に広がる緑豊かな奥多摩、その最高峰の雲取山です。
雲取山とは
雲取山は東京都の北西部、埼玉県、山梨県との県境にある標高2017mの山で、日本百名山の一座でもあります。
最近は社会現象にもなった鬼を滅するマンガの主人公の故郷として注目が集まりました。
雲取山を中心とする奥多摩地域は東京都の水源林として、緑豊かな森が大切に維持されています。
東京都というと都心の大都会がイメージされることが多いですが、都道府県別最高地点標高ランキングでは47都道府県中15位、(参考:国土地理院HP)上位3分の1に食い込む山の都でもあります。
山オタにとっては東京=奥多摩です。
山頂部は明るいカラマツの林
雲取山に至る主稜線の石尾根は上部が落葉針葉樹のカラマツに覆われています。
焚火が好きな方はご存じでしょうが、カラマツは油分を多く含み、よく燃えます。
そのため石尾根は森林火災時の延焼を防ぐため尾根沿いに広い防火帯が開かれ、
森が深い奥多摩においては例外的に見晴らしの良い明るい登山道となっています。
カラマツが色付く秋がイチオシ
雲取山は5月の新緑の時期もいいですが、なんといってもオススメはカラマツが黄葉する秋です。
特に晴れた日の朝は、日差しを透かした森が黄金色に輝きます。
雲取山へのルート
雲取山へは東京都、埼玉県、山梨県から多くの登山道が開かれています。
今回は最も利用者の多い「鴨沢」ルート、石尾根を奥多摩駅まで繋ぐ「石尾根ルート」を紹介します。
鴨沢ルート
雲取山の登山口鴨沢へはJR奥多摩駅から西東京バスで35分ほどで行けます。
バスは1日9~10本程度出ていてアクセスは良好です。
バスの時刻表はこちらのサイトが便利です(外部リンク:Culmina)
鴨沢(標高550 m) から、中間地点である七ツ石山(同1757 m)までは森の中を3時間の登りです。
このルートは登山道がとてもよく整備されています。
傾斜もほぼ一定で、標高差1200mある割には比較的楽に登れます。
朝一番のバスで出発すると七ツ石山あたりでちょうどお昼頃です。
山頂直下には七ツ石小屋があるので、ここで一度休憩して後半戦に備えましょう。
七ツ石小屋に宿泊する場合は要予約、素泊まり(食事提供無し)のみになります。
テントも張れますがこちらも要予約です。
(外部リンク:七ツ石小屋)
七ツ石山からは石尾根に合流して細かいアップダウンを繰り返しながら2時間ほどで雲取山の山頂に到着です。
ここまでスタートから5時間ぐらいかかります。
日帰り往復はなかなか厳しいので山頂北側の雲取山荘で一泊をお勧めします。
テント場も併設されてます。
(外部リンク:雲取山荘)
山は朝晩の光が斜めからさす時間帯が一番きれいなので、山中で一泊すると「撮れ高倍増&満足度大幅アップ」が期待できますヨ。
石尾根コース
奥多摩登山の起点である奥多摩駅から石尾根をひたすら歩いて
雲取山まで歩く約20kmのロングコース。
登りで使うと10時間近くかかってしまいます。
決して真夏に行ってはいけません道端で干からびたミミズの気持ちを実感できちゃうゾ
とはいえ、途中には鷹ノ巣山や日陰名栗山など好展望の山が多く、奥多摩のスケール大きさが骨身に沁みる関東在住の山オタならば一度は歩いてみたいコースです。
今回は鴨沢ルートとの分岐点である七ツ石山から下りながら見どころを紹介したいと思います。
よほどドM格別の思い入れがなければ登りは鴨沢ルートを使って、
石尾根は下りで使うのがオススメです。
日陰名栗山
七ツ石山から1時間ほど下ると日陰名栗山(標高1725m)です、面白い名前の山ですが残念ながら由来はわかりません(ご存じの方教えてください)
山頂自体は特に目立つピークがあるわけでもなく、登山道の途中といった地味な趣です。
ただ、この付近の登山道は石尾根の中でも良く開けていて、富士山を見ながらの快適な山歩きを楽しめます。
鷹ノ巣山
石尾根の山々の中で雲取山に次いで有名なのが鷹ノ巣山(標高1737 m)です。
日陰名栗山から20分ほど下りそこから3~40分ほど登り返せば到着。
鷹ノ巣山の南面は大きく開けていて、富士山の好展望地です。
鷹ノ巣山の北側には奥多摩三大急登として悪名高い知られる稲村岩尾根が伸びていて、主に鷹ノ巣山単体の登山に利用されます。
絵にかいたような急登で、途中の稲村岩を除いては展望も利かない修行の道なので、仮にここを登で使う場合は、
「いかなる状況も楽しむ覚悟」を装備して頑張って歩きましょう。
下りで使う場合はスリップに十分注意して2時間ほど下れば、
鍾乳洞で有名な日原の集落に着きます。
六ツ石山
鷹ノ巣山からさらに1時間半ほど下ると六ツ石山(標高1479 m)に到着です。
山頂付近はカラマツの林に囲まれた広々とした草原になっていて展望こそあまりききませんが、カラマツが黄葉する秋には青空とのコントラストが映える気持ちのいい空間になります。
六ツ石山から奥多摩駅まではさらに3時間半の道のりです。
六石山までの到着が遅れた or 石尾根はもうおなか一杯となったら、六ツ石山から南の尾根を下れば1時間半ほどで奥多摩湖まで下りられます。
おまけ もえぎの湯
奥多摩登山の後いつも世話になるのがもえぎの湯、奥多摩駅から徒歩10分の温泉です。
日帰り入浴はもちろん、食事もできてビールも飲める、登山後の疲れを取るのにぴったりな癒しスポットです。
都会の喧騒に戻る前に温泉でさっぱりして帰りましょう。
満員電車に汗&泥まみれで乗ると周りがエアポケット化します。ラッキーと思ってはいけません。
(外部リンク:もえぎの湯)
雲取山 まとめ
今回は東京都が誇る百名山 雲取山を紹介しました。
雲取山擁する奥多摩の良さは、なんといっても首都圏からの圧倒的なアクセスの良さです。
ふと山に登りたいと思い立てば、次の日には2000 mの山の上でテントを張って景色を眺めながらお酒を楽しむなんてこともできちゃいます。
当然それなりの登山経験と山道具は必要ですが、奥多摩の雲取山周辺は登山道が良く整備されているため、初めての山小屋泊 or テント泊にもおすすめです。
山オタ中級者へのステップアップにぜひご利用ください。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 前回の記事【東京の秘境】雲取山のススメで紹介した雲取山からさらに山梨県側に進んだ山域になります。 […]
[…] 標高2057 mの大菩薩嶺は山梨県北杜市と北都留郡丹波山村にまたがる山で、以前紹介した雲取山の南西、奥秩父主稜の南東にあたります。(内部リンク:【東京の秘境】雲取山のススメ、【東アルプス】奥秩父の百名山3座) […]