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【国内最難関】憧れの大キレットでスリル満点な空中散歩

こんにちは山絵いっとくです。

今回紹介するのは日本三大キレットの筆頭、その名もズバリ キレットです。

人が歩けるとは思えない切り立った岩の上を、鎖や金属製の足場を頼りに進みます。

スリル満点の大キレットを歩く注意点を解説します。

目次

大キレットとは?

大キレットは槍ヶ岳の南にある南岳と北穂高岳の間をつなぐ稜線です。

キレットとは漢字では「切戸」と書きます。

その名の通り両側が切れ落ちた地形のことです。

北アルプスには日本3大キレットと呼ばれるスリル満点なルートがありますが、大キレットは名前から察する通りその筆頭です。
(残りの二つ、八峰キレットと不帰ノ嶮はコチラで紹介してますヨ [試練と絶景の縦走]後立山連峰を歩き倒す

非常に痩せたナイフリッジの稜線で、途中に(まともな)エスケープルートもなく、登山者の心胆寒からしめるに十分なとってもヤバい縦走路です。語彙力

それでも多くの登山者が訪れるのは、一つには大キレットが、北アルプスでも屈指の人気を誇る穂高岳と槍ヶ岳をつなぐ象徴的な縦走路であること、

さらには登山者の一部(大部分?)は本能的にスリル満点なアスレチックコースが大好物であるため・・・でしょうか。

とはいうものの、大キレットはカテゴリーとしては一般登山道なので、次の項で説明する基本的な条件を満たせば、比較的安全に通過できます。

大キレットに挑む前に知っておくこと

大キレットは地図に載っている一般登山道なので条件さえ満たせば、山の経験を積んだ一般人でも踏破可能です。
(ここでいう一般人は管理人も含め、プロの登山家やガチガチの大学山岳部ではない趣味登山家全般を指します。まっさらな素人という意味ではありません。念のため。)

満たすべき条件は、

・好天に恵まれていること(Must)
・高所恐怖症ではないこと(Must)
・三点支持を自然に行えること(Must)
・対向者や先行者の行動をある程度予想し
余裕をもって対応できること(Must)
・ヘルメット着用(Must)
・南岳から北岳方向へ進むこと(Want)

です。

ます天候ですが、雨の中で大キレットに挑むのはダメです。
ダメな理由がわからない場合は、まず他の山で遭難しない程度に痛い目見て経験を積みましょう。

2つ目については、そもそも高所恐怖症の方は、大キレットの入り口を見た段階で進む気が失せると思います。
ただパーティー登山などで本当は怖いのに、周りを気にして言い出せずについて行ってしまうと、全然楽しくないどころか立ち往生して救助要請なんてことになりかねません。
人付き合いのために我慢して山に登るのはやめましょうね。

3つ目の三点支持ですが、大キレットに挑戦しようと思うような登山者なら体に染みついていることと思います。
そうでない人が、ノリでいきなり槍穂縦走とかしちゃダメです。

4つ目、大キレットは切り立った崖の上を進む箇所が多いので、それぞれの登山者が勝手に進むとナイフリッジの上で鉢合わせ、さらに後続もつかえていて身動きが取れない なんてことになります。
対向者や先行者の動きに注意を払い、積極的に声掛けをして、人がスムーズに流れるように協力し合いましょう。
人気の登山ルートではコミュ力と協調性も重要な登山技術です。

5つ目、ヘルメットを着けていたからと言って滑落時の生存率が劇的に上がるわけではありません。
しかし重要なのは滑落のリスクを下げられることです。
大キレットのような岩場ではちょっとした不注意で頭を岩にぶつけてしまったり、上を歩く登山者が落とした小さな石が頭に当たるなんて事は意外とよくあります。
ヘルメットをしていないと、そうした時にビックリして手を放してしまい、結果滑落・・・という事も起こりえます。
少しでもリスクを減らすためにヘルメットは着用しましょう。

6つ目は登山計画にもよるので、絶対とは言えませんが、南岳側から入ると大キレット最大の難所の「飛騨泣き」が登りになるので、北穂高側から入るよりは難易度が下がります。

大キレットのコース概要

南岳からの下りは、鎖場はあるものの高度感は(後半に比べれば)さほどでもありません。

1時間20分ほど下ると最低コルに着きます。
落ち着いて休憩できる数少ない場所なのでここで水分とエネルギーを補給しましょう。

最低コルから南を見ると長谷川ピーク、飛騨泣き、滝谷の絶壁とテンションが上がる(かゲンナリする)眺めが広がります。

南岳の岩壁
大キレットから振り返る南岳の岩壁
大キレット 北穂高方面
最低コルからみる北穂高方面

最低コルを越えると大キレット一つ目の難所、Hピークこと長谷川ピーク。
偉大な登山家にちなんだのかと思いきや、ここから滑落したにも関わらず無事救助された幸運な青年の姓らしいです。

南岳から進む場合、長谷川ピーク南面の下りが、最も高度感が強いと思います。

長谷川ピーク
頂点は大きくHピークと記されている
長谷川ピーク
長谷川ピーク南面 冗談のような垂壁

Hピークを越えても全然気は抜けません、もっと厳つい「飛騨泣き」が待ってます。
飛騨(岐阜)側が切れ落ちていて、足を滑らすとまず助からないので飛騨泣きと・・・・・。

長谷川ピークのさきから見る もっとヤバい飛騨泣き
飛騨泣き
飛騨泣きを振り返ると 御来迎(ブロッケン)が見えた

飛騨泣きを越えると目の前に北穂高の北壁 鳥も通わぬと謡われた滝谷の絶壁が迫ります。

まさかこれを登るの?と心配になりますが、道は左側を巻いてついています。
かなりの急傾斜を登りきると、踏破した大キレット越しの槍ヶ岳が凛々しい北穂高岳山頂です。

空いていれば最低コルからで2時間強、南岳からだと3時間半程の道のりです。

北穂高岳からは南稜を下るか小キレットを越えて奥穂高岳に向かいます。
(北穂高についてはコチラの記事を見て下さいね 【北アの首領】日本3位の高峰、穂高岳のおすすめコース

滝谷
鳥も通わぬ滝谷 北穂高北面
北穂高山頂手前より
北穂高岳山頂直前から大キレットを振り返る どう見ても崖に向かう矢印がシュール

まとめ

今回は日本三大キレットの中でも最も難易度が高いといわれる大キレット紹介しました。

高度感は抜群で、基本的な岩登りのスキルは求められますが、ルート整備がとても行き届いているため、条件さえそろえば十分に歩けるルートです。

挑戦する場合は南岳小屋か北穂高岳小屋に前泊して、翌日、比較的天候が安定しやすい早朝に突破しましょう。
(外部リンク: 南岳小屋
(外部リンク:北穂高小屋

今回ご紹介した写真を見て「怖っ」とか「正気じゃねぇ」と思った方は無理して行かない方がいいです。

「おらワクワクしてきたぞっ」な方は、十分な準備と情報取集を行ったうえで、無理のない計画で楽しんで下さい。

できれば事前に不帰ノ嶮や前穂高岳あたりで岩に慣れておくといいと思います。

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